あちらこちらで依存症が深刻な社会問題ともなっているギャンブル。一攫千金を狙う反面、人生のどん底に叩き落される危険な遊びです。そんなギャンブルを描いた小説を8つ選んでみました。いずれも真に迫った博徒の物語なので、ギャンブルの醍醐味を十分にが味わうことができるでしょう。ギャンブル好きの作家はギャンブルをこよなく愛する人が多い。だからこそ、読者がその世界にどんどん引き込まれていくのかもしれません。
目次
ギャンブル小説の人気の秘密
最近のギャンブル小説は、数学者が導き出したギャンブル必勝法や、社会問題になっているギャンブル依存症などを題材としたものが多く、小説の中でも人気の高いジャンルに位置づけられています。登場人物の全人生を、時に命を賭けて挑むギャンブルの様子を描いたギャンブル小説は、登場人物たちの必死さ、むき出しの欲望の場面から生まれる名言の宝庫でもあります。
今回はゾクゾクするギャンブル小説、厳選おすすめ8作品を紹介させて頂きます。ただギャンブルをしているだけの作品ではなく、ギリギリのところでの熱い騙し合い、腹の探り合いなど、まるで自分がその場にいるようなリアリティあふれるシチュエーションを実感できる作品ばかりです。
厳正!おすすめのギャンブル小説
麻雀放浪記(1)青春篇
引用元:電子書籍 – 文藝春秋BOOKS
阿佐田哲也 著(文春文庫)初版発行1969年
ギャンブル小説の傑作と言えば、まずは麻雀放浪記(1)青春篇でしょう。
麻雀打ちなら一度は手に取って読んだことがあると思われる有名な著作で、著者自身の経験をもとに昭和の雀荘の鉄火場をリアルに描いています。
あらゆる小説の中でも、これほどまでに様々な層、人種の男たちに読まれたものはないとまで言われています。
激動の戦後復興期、焼け野原の上野のドヤ街で、厳しい賭け麻雀の世界に一気にのめりこんでいく若者の姿を描いた小説です。
博打の魔力に憑かれ、技と掛け引きを駆使して闘い続ける主人公をはじめ、彼と関わる賭博師たちの飽くなき執念と壮絶な生きざまには圧巻です。
賭博師でもある阿佐田哲也の自伝的物語なので、ギャンブラーたちによるヒリヒリするような駆け引きがリアルに描写されていて、あっという間にひきこまれてしまいます。
麻雀放浪記は、全四巻で完結しているのですが、実はそのほかに続編があるのをご存知ですか?麻雀放浪記の続編のタイトルは『新麻雀放浪記―申年生まれのフレンズ』といい、1983年に初版が発行されました。
麻雀で鳴らした坊や、哲も中年になり、独房で出会った大学生のひよっこと組んで、バカラや競馬、麻雀などのギャンブルに繰り出していくという内容です。後半はまるでカジノの指南書のようです。
ドサ健ばくち地獄
阿佐田哲也 著(角川文庫)上・下全2巻 初版発行1984年
こちらのドサ健ばくち地獄は、麻雀放浪記登場人物の一人、ドサ健とわき役たちのその後の活躍を見たいという人におすすめの小説です。
そんなドサ健に心惹かれる読者の疑問に坊や哲が答える形で話は始まります。
何人もが大金を平気で賭け、破滅していくという、ばくちに溺れる人たちがまざまざと描かれています。
それでもなお、やってしまう他にはない魔力が、ばくちにはあるのでしょう。
どの組織にも属さない一匹狼の健が、地下賭場に集結する一癖も二癖もある連中と、身を切られるような凄まじい闘いが繰り広げられるこの小説は、ギャンブルにおける勝ちとは何か、人生における勝ちとは何かを読む人に問いかける作品でしょう。
会話の部分が多く2時間程度で読める内容です。
この他にもドサ健との一戦を描いた「天国と地獄」などを収録した『雀鬼崩れ』などもおすすめです。
病葉流れて
白川 道 著(幻冬舎文庫)初版発行2004年
この小説は主人公、梨田が大学の寮に入るところから物語が始まり、思春期の若者が人生の師となるべき人間に出会って成長していく物語です。
麻雀と女を通して、裏の世界にも足を踏み入れながら、成長していく過程を描いた奇想天外な自伝的小説であり、青春ギャンブル小説とも言えるでしょう。
18歳になり大学に入学した梨田に待ち受けていたものは、酒、女、そして麻雀という当時の大学生の生活ぶりの描写はリアリティに富んでいます。
勉強そっちのけで放蕩にのめり込む若者のカタルシスが、文章からひしひしと伝わってきます。『麻雀放浪記』と双璧を成す、日本を代表する青春ギャンブル小説といえるでしょう。
「負けない博打をしたいんだったら、今からでも遅くない。博打からは一切手を引いたほうがいい。人生の時間は限られているし、もっと有効な時間の使い方がある。」など、日本人が苦手とする本質の見抜き方、考え方を登場人物の言葉から学べます。
続きは続編「朽ちた花びら」で、主人公の梨田雅之が女と酒に明け暮れる放蕩な学生生活を、卒業するまでを知ることができます。
賭博者
ドストエフスキー 翻訳:原卓也(新潮文庫)改版1979年
19世紀半ば、ロシア将軍の家で家庭教師を務める主人公が、将軍たちとドイツの温泉地ルーレテンブルグに滞在し、身を焼くようなルーレット賭博にのめり込んでいく様子を描いています。
ルーレットの魅力にとりつかれ身を滅ぼしてゆく青年を通して、ロシア人に特有な病的性格を浮彫りにした小説とも言えるでしょう。
さまざまな国の人間が入り乱れ、お金の貸し借りをめぐる煩雑な利害関係に、男女の複雑な愛憎が絡んで、ドロ沼のようなストーリーが続いていきます。
文豪ストエフスキー自身が、「賭博者」に描かれた内容とほぼ同じ、ルーレットに取りつかれた博打中毒者だったので、お金を知人や編集者から借金を重ね、人間関係を悪化させたことも少なくなかったようです。
だからこそ、ギャンブルの魔力に惹かれてしまう人間の弱さと、深層心理、そして浮き沈みの無情さをリアリティ豊かに鋭く表現しているのでしょう。
二進法の犬
花村萬月 著(光文社文庫)初版発行2002年
倫子という女子高生の家庭教師になった鷲津兵輔が、この小説の主人公です。
京都大学を出たものの、虚無的に生きていた鷲津は、ヤクザの組長の娘、倫子の家庭教師になったことで生活が一変してしまいます。
武闘派乾組(いぬいぐみ)の組長である倫子の父、十郎の白か黒かで物事を判断する生き様、そして倫子の存在に、鷲津は次第に自分の所在を見いだしていくというあらすじです。
全てのひとが心に抱える深い闇を、重厚に切なく描かれた、文庫にして1100ページの傑作巨編でありながらも、テンポとスピード感があって一気に読み進めてしまいそうです。
その超巨編の中に、「異常」と表現される乾たちが起こす暴力、そして主観的な性的表現、登場人物の間で語られる倫理、博打、宗教、教育、コンピューター論などが描写的に描かれています。
非日常の最たるものを表現することにより、自分たちの生き様の中に潜在する欺瞞性を、顕在化させようとする花村萬月の強い意図、そして独特な世界観を感じられる小説です。
波の音が消えるまで
沢木耕太郎(新潮社)上・下全2巻 初版発行2014年
脱稿までに5年かかったといわれている、沢木耕太郎の書き下ろしの小説です。
主人公の伊津航平は、高校卒業と同時にアルバイトでお金を貯め、サーフィンの聖地オアフへ向かいます。
そこでサーファーから転じて写真家の助手になりましたが、もう一度サーフィンに挑戦すべく今度はバリ島へ行き、そこから日本に帰国する途中、マカオに滞在することになります。
そこで偶然寄ったカジノでバカラと出会い、バカラのなんたるかを知らなかった主人公が、その魅力にとりつかれてしまいます。
そして伊津航平はさらなる深みへとはまっていくという、バカラを題材にした珍しい青春小説です。
延々とバカラについて書いているのですが、自分にカードが配られているかのような臨場感ありありで、スリルをたっぷりと味わうことができるので、不思議なほど、その世界に引き込まれてしまいます。
この本は上下巻合わせて800ページを越える大作ですが、伊津がどんどんバカラにはまっていく様にハラハラドキドキ読み応え十分です。
バカラのルールを知らない人でも、この小説を読み終えた後はバカラの基本的なルールを理解している自分に気づきます。さて、「波の音が消えるまで」はいったい何を意味するのでしょう…
賭博師たち
伊集院 静・他著(角川文庫)初版発行1995年
伊集院静、生島治郎、大沢在昌、黒岩重吾、黒川博行、佐藤正午、清水一行、樋口修吉、8人の作家による賭博を題材にした8編が収録された、勝負の世界に生きる男たちの栄光と挫折を描く、オリジナル・アンソロジーです。
人と人との駆け引き、騙し合い、心理戦。 ヒリヒリする緊張感、逆転に次ぐ逆転など、麻雀、競馬、競輪、カジノを題材にした大物作家たちの味のあるギャンブル短編集となっています。
生島治郎による阿佐田哲也と黒鉄ヒロシとの香港ギャンブル行は、博打打ちの凄味と執念、かつ投げやりな所が実に生々しく描写されていますし、「きみは誤解している」は、博打の魔力に引き込まれていく男の業にゾクゾクしてしまいます。
騙すつもりが騙された男の意外な顛や、受胎の有無を賭けにする女のはなし、「雀聖」と呼ばれた阿佐田哲也との思い出を綴ったエッセイなど、どれも曲者ぞろいのギャンブラーたちの奇想天外な物語ばかりです。
賭博師たちの織りなす物語に、存分に酔いしれてください。
ラス・ヴェガスをブッつぶせ!
ベン・メズリック 著/真崎 義博 翻訳/初版発行2003年
マサチューセツ工科大学の数学の天才たちがイカサマではなく確率理論とチームプレーを駆使して一瞬で大金を稼ぎ出すノンフィクション小説です。
ボストンで優等生として暮らしていた主人 公ケヴィン・ルイスを中心に物語は展開していきます。
大学を途中で退学した二人は週末になると姿を消し、ラス・ヴェガスで稼いできた大金を持ち帰ります。
彼らのチームプレーとカウンティングのノウハウは読んでいて、なるほどと納得してしまうのですが、今ではそういうチームプレーを行うことも、一度ブラックリストに挙がってしまった人間が変装をしてゲームに参加したとしても、ハイテク技術によりすぐに見つかってしまうでしょう。
それにもかかわらず、話のテンポがよく、翻訳もわかりやすいので物語としては非常に面白く、一読の価値のある小説です。
中でも感心するのは、大きく賭けるタイミングを推し図る方法である「カウンティングの理論」。やはり天才集団は違います。
ブラックジャックのルールがわからないという方には、巻末にルールと用語の解説がついてますのでご安心ください。
アメリカでは「21」という題名で映画化され、2008年3月に公開し2週連続で興行収入1位を獲得。日本では同年5月31日に公開されました。原題の「21」はブラックジャックの別名です。
映画の中で描かれている「MITブラックジャック・チーム」のメンバーはマサチューセッツ工科大学などの学生や卒業生で構成されていて、モデルとなったジェフ・マーも端役で出演しているそうです。
最後に
世界中で依存症が深刻な社会問題になっているギャンブルは、一攫千金の夢がある反面、人生のどん底に叩き落されるという危険な娯楽です。そんなギャンブルの魅力に引き込まれていく様を描いた小説を集めました。
ギャンブルそのものを体験せずとも、恋愛、結婚、就職・・・人生そのものがある種のギャンブルなのかもしれませんね。
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