日本で統合型リゾート(IR)開発が進んでいるのは、外国人観光客誘致による経済効果と地方活性化とともに、新たな雇用の創出という狙いがあります。そして中でも注目されている仕事が「カジノディーラー」です。これまでの日本ではほとんどなかった新しい職業。気になっている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、カジノディーラーについて年収やなり方などを詳しく解説します。
目次
カジノディーラーとは?
カジノではたくさんのお客さんが集まり、ルーレットやバカラ、ブラックジャックなど様々なゲームで遊びます。
こうしたゲームをお客さんがトラブルなく円滑に楽しむには、「進行役」が必要です。その進行役を務めるのが、ここで解説する「カジノディーラー」なのです。
カジノという豪華絢爛な非日常を舞台に働く華やかなイメージが先行して、その実態を知っている方はあまりいないようです。
まずはカジノディーラーが果たさなければならない「2つの役割」からみていきましょう。
カジノディーラーの2つの役割
カジノディーラーは、プレイヤーと一緒にゲームを楽しんでいるわけではありません。どんな役割を担っているのか、それぞれご紹介します。
スムーズにゲームを進行させる
まずはゲームの進行役としての役割があります。ポーカーやバカラといったカードゲームではカードを配り、ルーレットならルーレットを回してボールを投げ入れます。
素早く美しい手捌きでお客さんを魅了し、楽しい時間を演出するのが役目です。また、プレイヤーが賭けたチップを基に払い戻しを計算するのもディーラーの務めです。
配当額を瞬時に計算するのは意外と難しく、ここをスムーズに行えるかどうかはディーラーの腕の見せ所のひとつです。
お客さんを楽しませる
カジノディーラーは、ゲームの進行役以外に接客業としての側面も持ち合わせています。
カジノに遊びに来た人が快適に遊べるように様々なサービスを提供します。ゲーム進行の手捌き、場を盛り上げるトーク、飲み物のオーダーなどやることはたくさんあります。
もてなし役を務められないようでは、一人前のカジノディーラーとは言えないのです。
カジノディーラーのお給料は?
実は、カジノディーラーのお給料はあまり高くはありません。
先ほどお話ししたような専門性の高い技術が必要で、日々大金が動くカジノで働いているディーラー。「さぞ高給取りなのでは?」と期待した人は、おそらくガッカリされているかもしれませんね。
しかし、ディーラーは給料が低くても意外と稼げる「とある裏事情」が存在するのです。以下でカジノディーラーの収入の仕組みについて、もう少し詳しくみていきましょう。
カジノディーラーの2つの収入源
実は、カジノディーラーには大きく分けて2つの収入源があります。
給料
まずは普通のお給料です。
多くのカジノでは、ディーラーのお給料に時給制を採用しています。時給は最低賃金とほぼ同水準の場合ほとんどで、日本円で700~800円程度です。
カジノディーラーの月給は、20~30万円が相場なのです。
ただし役職が上がると、時給がアップしたり、固定給になったりすることもあります。そのため実際には、もう少しもらっている方もいるようです。
チップ
もうひとつの収入源は、「チップ」です。
海外ではチップ文化が根付いていることもあり、テーブルにつくとお客さんからチップをもらえることが多いようです。このチップが大きな稼ぎになるのです。
個人差や時期によってもバラツキはありますが、多くのディーラーが月に十数万~数十万のチップをもらうようです。そのため本当の収入は、お給料よりかなり多くなるのです。
日本にできるカジノもメインターゲットは外国人観光客です。チップを支払う文化に慣れている彼らがお客さんなら、日本のカジノで働く場合でもチップ収入は期待できそうですね。
カジノディーラーのステップアップ
大規模なカジノであれば、ディーラーの中にもいくつかの階級というものが存在します。
テーブルについてゲーム進行役をするだけの平のディーラーもいれば、フロア全体や他のディーラーをマネージングする管理職もいます。
ディーラーの役職は、下から
- ディーラー
- フロアパーソン
- ピットマネージャー
- シフトマネージャー
- ゲーミングマネージャー
と呼ばれるようです。
キャリアを積んで、ステップアップすればより高額のお給料をもらうことも十分に可能です。それにチップ収入も見込めるとなると、カジノディーラーはなかなか夢のある仕事かもしれませんね。
カジノディーラーになる方法は?
日本人がカジノディーラーになるためには、主に次の2通りの方法があります。
海外カジノで武者修行
海外のカジノでアルバイトなどをしながら、カジノディーラーとしてのスキルを学んでいく方法です。いきなり現地のカジノで働くことになるので、ある程度の語学力やカジノに関する知識は必須です。
カジノスクール
日本でカジノディーラーを目指す方にとって、最もポピュラーな方法が「カジノスクール」に通うことです。
カジノスクールでは、ディーラーに必要なスキルを一通り学ぶことができます。海外のIRやホテル、豪華客船などのカジノで、ディーラーとして活躍している卒業生がたくさんいます。
海外カジノで働きながらディーラーを目指す場合は、ワーキングホリデーやインターンシップなどの制度を活用することができます。ただ、それでもかなり困難な挑戦であることは間違いありません。
そのためカジノディーラーを目指す皆さんには、現実的な選択肢としてカジノスクールに通うことをおすすめします。
カジノスクールで学べるスキル
カジノスクールでは、「ディーリング技能」、「カジノやゲームに関する知識」、「ホスピタリティ」の3点を重点的に学ぶことができます。
この3つのスキルは、そのままカジノディーラーとして必須なスキルでもあります。
ディーリング技能
ブラックジャックやバカラなどのゲームをスムーズに進行するための技術を、「ディーリング技能」と呼びます。
これは、ディーラーとして最も大切なゲーム進行のスキルです。カードを配ったり、ルーレットにボールを投げ入れたりする一つ一つの動きを、キレイにできなくてはいけません。
またベットしたチップを回収したり、適切な配当額で払い戻したりするのも重要な役割です。配当の計算などを間違えるのはもちろん許されません。
カジノやゲームに関する知識
カジノで働く以上、カジノやそこでプレイされるゲームに対する深い知識も必要です。
そのためカジノスクールでは、カジノの歴史や文化、世界中のカジノ事情、ハウスエッジなど様々な座学も学ぶことができます。
また海外のカジノで働くことも想定しており、英会話などの授業もあります。
ホスピタリティ
カジノに遊びに来たお客さんをおもてなしするための、心構えや技術なども学ぶことができます。接客も練習を通じて、お客さんを喜ばせることができるカジノディーラーを目指します。
カジノディーラーに向いているのは「誠実な人」
カジノディーラーをするのに向いているのは、公平で嘘をつかない誠実な人です。
一見すると、口が達者で手先の器用なタイプが求められるように感じるかもしれません。しかしカジノで働くためには、もっと大切なことがあります。
現金を取り扱うカジノディーラーには、「不正を働かない」と信頼できる人が向いているのです。実際に海外のカジノでは、ディーラーを採用する際に犯罪歴や借金歴などもチェックします。
日本のカジノディーラーの未来は明るい?
カジノ法案が可決され、IR開業が近づいている日本では、今後カジノディーラーの活躍の場が急速に増えていくことが予想されています。
練習や経験次第で誰にでも目指せるカジノディーラーは、今後の日本でも人気の職業になるかもしれませんね。
カジノディーラーに興味がある方は最新情報をある程度チェックしておくと良いでしょう。