クラップスはカジノの中でも一番盛り上がっているテーブルで行われているゲームです。あまり日本人に馴染みが無いゲームですが、サイコロを振ることで生まれるプレイヤーの一体感は他のゲームでは味わえません。ルーレットなどと比べてプレイヤー側が数学的に勝ちやすいと言われるクラップスのルールと遊び方を詳しく紹介するので、機会があったらチャレンジしてください。
目次
クラップスのルール
クラップスは2個のサイコロを振ってその出目によって勝敗を決めるゲームです。
このクラップスというゲームの最大の特徴はダイスを投げるのはディーラーではなく、プレイヤー自身ということです。サイコロを投げる人をシューターと呼びます。
クラップスは2つのサイコロの出目の合計が「7」が出るまで繰り返しサイコロが振られ、「7」が出たら勝敗が決まり、1ゲーム終了となります。
これ以外でも勝敗が決まるパターンもありますが、詳細は後ほど解説します。
クラップスのルールの基本を簡単にお話しますと、まず、1投目のサイコロの出目の合計が、「7」か「11」が出たらその時点で勝ちです。
そして、「2」「3」「12」が出たら負け、それ以外「4」「5」「6」「8」「9」「10」は2投目に移ります。
2投目では、自分が狙っている出目の合計が、「7」よりも先に出れば勝ちで、先に「7」が出たら負けになるという簡単なルールですので、クラップスは初心者でも遊ぶことができるゲームです。
カジノでは、クラップスは空いているテーブルがあれば、いつでも自由に座って勝負を始めることが可能で、止めたくなったら自由に席を去っても問題ありません。
BETの方法に関しても後ほど説明するのでまずはゲームの流れを理解しましょう。
クラップスのゲームの流れ
ベット(BET)する
まずは参加するプレイヤーが、それぞれ自分が好きな場所にBETします。
1投目を投げる
最初の投げ手のシューターはディーラーが指名して、そのシューターがサイコロを2個同時に投げます。この1投目をカムアウトロールと呼びゲームがスタートします。
この時に注意しなければならない点は、必ずサイコロを2つ片手に持って投げることと、クラップスのテーブルの壁に当てることです。
クラップスのテーブルの壁は突起状になっているので、壁に当てることでシューターがサイコロの出目を調整することが難しくなるようにしています。
サイコロを投げるときは他のプレイヤーがBETしているチップに当たらないように投げましょう。サイコロを転がす投げ方では壁に当たりませんし、上投げでは強く当たりすぎてしまうので、おすすめできません。
2投目以降
2人目以降はゲームごとに時計回りで順番に回ってきます。
どうしてもやりたくない場合は拒否することもできますが、クラップスは同じテーブルのプレイヤー全員で勝利を掴むゲームなので、重要な役割になりますが、参加してしっかり投げて盛り上がりましょう。
勝敗について
最初の1投目が投げられると、次の3つのパターンに展開していきます。
パターン1:2つのサイコロの出目の合計が「7」「11」の場合
出目の合計が「7」「11」の場合、ナチュラル(Natural)又はウィン(Win)と言い、その時点でシューターの勝ちになります。
クラップスでは勝利の条件を満たすことをパスと呼びます。勝敗が決まるまでの一連のゲームをシリーズと呼びます。
無事パスすることができたシューターは、次のシリーズでもシューターを続けるルールなので、連続で勝ち続けるシューターがいると他のプレイヤーにも恩恵があるのでそのテーブルは非常に盛り上がります。
パターン2:2つのサイコロの出目の合計が「2」「3」「12」の場合
出目の合計が「2」「3」「12」の場合、クラップス(Craps)と言いその時点でシューターの負けになります。
パターン1か2の出目になった場合は、その時点で勝敗が決まるので、そのゲームは終了になり、新しいシリーズが始まります。
1投目でパスできなかった場合もシューターは交代しません。
パターン3:2つのサイコロの出目の合計が「4」「5」「6」「8」「9」「10」の場合
出目の合計が「4」「5」「6」「8」「9」「10」が出た場合、ゲームを続けます。
1投目で投げた出目の「4」「5」「6」「8」「9」「10」をポイントと呼びます。シューターがポイント(4、5、6、8、9、10)、または「7」を出すまで2投、3投、4投とゲームは続けられます。
ポイントが出ればシューターの勝ちで、「7」が出るとシューターの負けになります。
ポイント、または「7」以外の数字は勝敗に関係ありません。
2投目以降のパターン
2投目が投げられると、次の3つのパターンに展開していきます。
パターン1
ポイントと同じ出目の数字を出したらシューターの勝ちになります。パスすることができたので、この場合もシューターの変更はありません。
パターン2
出目が「7」の場合セブンアウトと言い、シューターの負けになります。
1投目の出目の「7」はその時点で勝利になるのでありがたいものになるのですが、2投目以降の「7」はその時点で負けを意味します。
逆に考えると「7」を出さなければ負けないということです。
2投目以降で「7」を出して負けてしまった場合、シューターが交代になります。シューターが交代する場面は唯一この場面となります。
パターン3
上記のパターン1とパターン2以外なら、勝敗が決まるまで繰り返し続きます。
2投目以降は「ポイントの目を出して勝つ(パス)」か、「7を出して負けるか」のどちらかが出るまで延々とゲームは続きます。シューターの交代はありません。
シューターを含む同じテーブルのプレイヤーは、シューターが勝つか負けるかのどちらに賭けるのかが、このクラップスのゲームになります。
通常はシューターを含む同じテーブルのプレイヤーは、シューターが勝つほうにみんなで賭けて、カジノ側(ディーラー)を負かすというのがクラップスの面白味で、みんなが一体となって盛り上がるのが人気の理由です。
クラップスの出目の確率
出目を当てるだけのシンプルなゲームなのですが、2つのサイコロの出目とその確率を知っておくと有利になる出目がわかり、クラップスがより一層面白くなります。
とはいえ覚えてもゲームの勝敗に影響があるわけではありませんが。
確率:サイコロの出目別
1投目の確率
1投目にナチュラルの出目「7」「11」が出る確率は合計すると約22%、クラップスの出目「2」「3」「12」が出る確率は約11%になるのでプレイヤーが勝つ確率が高いということがわかります。
2投目以降の確率
2投目以降になると「7」を出してしまうとパスができない(負け)ポイント目を出せばパスできる(勝ち)ルールなので、確率を見てみると2投目に勝負がもつれてしまうと7の確率が最も高くなるので、負ける確率は高くなってしまいます。
クラップスのBET方法と配当
テーブルのそれぞれの枠の中にチップを置いてBETします。
1:Pass Line(パスライン)
最も基本的なBET方法で、シューター(投げ手)の勝ちに賭けるBETの方法です。
- サイコロの出目の合計「7」「11」が出たら勝ち
- サイコロの出目の合計「2」「3」「12」が出たら負け
サイコロの出目の合計「4」「5」「6」「8」「9」「10」が出た場合はゲームを続行します。
2投目以降で「7」が出る前にポイントが出れば勝ちとなり、「7」が先に出ると負けでゲームは終了になります。
第2投以降で「2」「3」「11」「12」が出ても勝敗は決まりません。第2投以降は「7」が出るか、1投目の出目の合計のポイントが出るかで勝負が決まります。
勝ったときの配当は1:1で、賭けた額と合わせて2倍になります。
2:COME(カム)
基本的にパスラインと全く同じです。
パスラインと異なる点は2つ
- 第1投のカムアウトロールをした後の任意のタイミングでBETします。
- ポイントは次回投げられるサイコロの出目になります。(第2投から参加の場合は、第3投の出目がポイントになります。)
という点のみです。
勝ったときの配当は1:1で、賭けた額と合わせて2倍になります。
上記2つのPass LineとCOMEのBET方法が基本になるので、実際のカジノでクラップスを楽しむ場合はこの賭け方をすると最も盛り上がることができます。
Pass LineとCOMEは、プレイヤー側の勝ちに賭ける方法で、プレイヤー側の負け(カジノ側の勝ち)に賭ける方法が、下記の「DON’T PASS(ドントパス)」と「DON’T COME(ドントカム)」の2つになります。
3:DON’T PASS(ドントパス)
PASS LINE(パスライン)の逆のBET方法で、シューターの負けに賭けるBETの方法です。
- サイコロの出目の合計「7」「11」が出たら負け
- サイコロの出目の合計「2」「3」が出たら勝ち
- サイコロの出目の合計「12」が出た場合は、引き分けでゲームが終了になります。
サイコロの出目の合計「4」「5」「6」「8」「9」「10」が出た場合はゲームを続行します。
第2投目以降で「7」が出る前にポイントが出れば負けとなり、「7」が先に出ると勝ちでゲームは終了になります。
勝ったときの配当は1:1で、賭けた額と合わせて2倍になります。
4:DON’T COME(ドントカム)
COME(カム)の逆のBET方法になります。
勝ったときの配当は1:1で、賭けた額と合わせて2倍になります。
DON’T PASSやDON’T COMEにBETすることはおすすめしません。
クラップスはテーブルにいるプレイヤー全員が、シューターが勝つ(パス)ことを祈ってテーブル全体で楽しむゲームという暗黙の了解があります。
DON’T PASSやDON’T COMEにBETして、自分だけ勝ってしまったらテーブルにいるプレイヤー全員から白い目で見られ、ひんしゅくを買ってしまいますね。
5:ODDS BET(オッズベット)
オッズベットとは、Pass Line、Don’t Pass、COME、Don’t Comeで、第1投のカムアウトロールの後に自分のBETした額に追加してBETする賭け方です。
オッズベットの最大の特徴は、追加した賭け金についてはパスする(勝つ)確率に応じて配当が変動して支払われます。オッズベットにはカジノ側のハウスエッジ(カジノ側の取り分)が存在しません。クラップスのプレイヤーにとって、有利なBET方法になります。
Pass Lineを例に説明すると、クラップスの出目の確率で解説したように2投目以降は「7」の出目が出やすい確率になっています。
例を出して説明すると、ポイントの出目が「4」の場合、「4」が出てパスする(勝つ)確率は、「7」が出てパスできない(負ける)確率の半分の確率に対して、配当は等倍になるので非常に不利な状況となっています。
これに対し、オッズベットで賭けた分については、ポイント目が4である場合には2倍の配当が付きます。
他のポイント出目についても、下記の割合でオッズベットの配当は支払われます。
オッズベットの配当の割合
- ポイント出目「4」
「7」が出る確率に対して「4」が出る確率は1/2で配当は2倍(賭け金含め3倍) - ポイント出目「5」
「7」が出る確率に対して「5」が出る確率は1/2で配当は1.5倍(2.5倍) - ポイント出目「6」
「7」が出る確率に対して「6」が出る確率は1/2で配当は1.2倍(2.2倍) - ポイント出目「8」
「7」が出る確率に対して「8」が出る確率は1/2で配当は1.2倍(2.2倍) - ポイント出目「9」
「7」が出る確率に対して「9」が出る確率は1/2で配当は1.5倍(2.5倍) - ポイント出目「10」
「7」が出る確率に対して「10」が出る確率は1/2で配当は2倍(3倍)
ODDS BETは、カジノ側としては理論上で儲からないシステムになっているので、ODDS BETでBETできる金額は、最初にBETした金額までになっている場合や、2倍の金額までなど制限されていることがあります。
ここまでに5つのBET方法を紹介しました。
他にも次のようなBET方法がありますが、ハウスエッジの面で非常にプレイヤー側が不利になるのであまり賭ける人はいません。
- 数字を選択してBETするプレースベット
- 「6」を選ぶだけのビックシックス
- 「8」を選ぶだけのビックエイト
- 賭けた直後に「2」「3」「12」が出れば勝ちのエニークラップス
- 賭けた直後にセブンアウトすれば勝ちのエニーセブン
- 賭けた直後に「2」「3」「4」「9」「10」「11」「12」で勝ちのフィールドベット
- ゾロ目の「2・2」「5・5」「33・3」「4・4」になれば勝ちのハードウェイ
- 賭けた直後に出目の合計が「2」「12」「3」「11」のどれになるかを当てるホーンベット
など
最後に
クラップスはカジノに数あるゲームの中でも、予想したり考えたりすることなく、プレイヤーが投げたサイコロの出目のみで結果がわかるという簡単なルールでプレイヤー同士が一丸となって全員でワイワイ楽しむ異質なゲームです。
初心者では加わりづらいかも知れませんが、他のゲームでは決して味わえない連帯感を持った興奮があるので、機会があったら試してみてください。