カジノはいったいいつできるのか?東京オリンピックや大阪万博の開催に向けて着々と準備が進んでいる現在、今か今かと施行が待たれるカジノの開催です。解禁は目前のようでも施行までには時間がかるようです。日本初のカジノのオープンはいつなのか?どんな形でどこにできるのか?カジノ法案の内容と今現在、カジノ法案がどのように進んできているのかなど、気になるポイントを徹底解説します。
目次
カジノの設立はいつオープン?
カジノのオープンはいつなのでしょうか?統合型リゾート(IR)整備推進法案、いわゆる「カジノ法案」が成立した後、皆さんが興味を抱いているのは「いつカジノがオープンするのか」ということでしょう。
予測!オープンは2025年前後
候補地が正式決定するのは2022年前後、そしてオープンは2025年前後と予想されています。ですが!今の時点で法案の成立や基本方針など、全体のスケジュールが当初の予定から遅れているのが実情です。
カジノ法案そのものは可決となっていますが、これが可決された後に初めて候補地の決定・法整備、そして設計・建設というような流れを経て、実際のオープンとなります。
当初は、2020年に開催される東京オリンピックに合わせてオープンさせるという話がありましたが、各法案の審議が想定していたよりも長引いてしまい、それは不可能になってしまいました。
これからさらに遅れていく可能性も考えられますので、早くて2025年前後ではないかと言われています。
このように、オープンまでの流れを見てもわかるように、法案の成立後もさまざまな法律やインフラの整備が山積みで、これらを全てクリアするには、かなりの時間を要します。
そう考えると、これらの順序を踏まえたうえで、カジノがオープンするのは早くて2025年頃というのが、おおよその見方になります。ニュースなどで多くの情報が流れていますが、いずれにしても実際のオープンまではまだまだ時間がかかりそうですね。
大阪の万国博覧会が2025年の開催なので、それに関連して政府の今後の対応が問われることになるでしょう。
カジノオープンまでの流れ
カジノが設立までのスケジュールはどうなっているのでしょうか?カジノ法案が成立したからといってカジノがすぐにオープンできるわけではありません。カジノ法案といっても、カジノ解禁に関する法律は数多くある中の一つにすぎないのです。
では、カジノ解禁までに成立させるべき法律を、順番に見ていきましょう。
1.カジノ法案の成立
「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(IR推進法案)」というのがカジノ法案の正式名称です。カジノを作るための法律ではなく、違法である国内でのカジノを合法とするための法案で、2016年に可決されました。
日本でのカジノは現在、違法ですが、合法となればカジノだけでなく、様々な施設を楽しめるようになるので旅行・観光として国内外から多数の人が訪れることが予測できます。
2.IR推進法の成立
IR推進法とは、一言でいうと「カジノ管理委員会を設置し、運営体制を整える」という内容です。これはあくまでも大枠の方針を定めるための法案にすぎず、具体的な整備や運営ルールについては、「IR整備法(実施法)」や「ギャンブル等依存症対策基本法」の中で定められます。
3.IR推進本部の設置
正式名称は「特定複合観光施設区域整備推進本部」といい、法整備などを含む、IR開業に必要な全体の流れを進めるための国の組織です。今後のIRに関係する法律は、こちらのIR推進本部で整備され、国会に提出されます。
4.IR整備法(実施法)成立
IR推進法案に対し、さらに具体的な内容に踏み込んだのが「IR実施法」です。IR実施法では、カジノ事業免許、入場料、入場制限、カジノ管理委員会の設置など、細かい部門についても定めていきます。
5.ギャンブル等依存症対策基本法の成立
ギャンブル依存症対策に関する対策計画を策定することが定められています。政府は、ギャンブル等依存症対策基本法の成立に伴い、ギャンブル等依存症対策推進本部を設置しました。それにより国や地方公共団体は、ギャンブル依存症に関して、さまざまな対策を講じる必要があります。
6.基本方針の策定
開業にあたり政府によって策定される基本方針です。この基本方針が公表され次第、自治体や事業者ではIR開業に関する業務を進めていくことになります。
7.カジノ管理委員会の発足
総勢100人規模で構成されるカジノ運営を管理する組織のことです。IR開業前の法整備などを統括する「IR推進本部」に対し、IR開業以降の運営体制を統括するのが「カジノ管理委員会」です。
8.候補地を決定する
日本初のIRが開業する場所を決定します。政府がIRを設置する場所を正式に決定することで、各自治体が具体的に交通等のインフラ整備に取り掛かる時期となります。
9.IR事業者の選定
正式にIR設置場所が決まったら、その各自治体が協力してIRを開発するIR事業者を選定します。
10.IR開発、そして開業
IR事業者と自治体が協力して、IR開発に着手します。本格的にIR開発計画が動き出し、開発から開業まで進めていきます。
カジノの候補地はどこ?
IR(カジノ)の開業が認められるためには、2021年1月4日から7月30日の間に自治体が国に申請をし、国は申請を行った自治体の中から3か所を選び決定します。
カジノ候補地と有力候補地
カジノ誘致を表明しているカジノ候補地は、東京(お台場)、神奈川(横浜)、千葉(幕張)、愛知(名古屋、常滑)、大阪(夢洲)、和歌山(マリーナシティー)、長崎(ハウステンボス)ですが、今の時点では大阪、横浜、長崎が有力な候補地と見られているようです。
大阪、横浜、長崎が有力と思われる主な理由は次のとおりです。
大阪が有力な理由
2025年国際博覧会(万博)の開催が決定したことに伴い、カジノと万博の相乗効果で関西全体の経済活性化を見込んで、誘致に積極的な姿勢をみせているようです。
大阪湾にある100ヘクタールを超える夢洲は、「大阪の負の遺産」とまで言われてきた人工島です。2025年の万博開催が決定し、そのうえIRの有力候補地ともなっている現在は、負の遺産から一転、関西経済の起爆剤となるのではないかと期待されています。
アクセスもよく、多くの旅行者が訪れることもあり、カジノもできればさらに集客が見込めることが予想されます。
横浜が有力な理由
横浜のシンボルとして住民や観光客に親しまれている山下ふ頭を候補地として、正式に誘致を表明してからというもの、海外IR事業所が次々に開業し注目の的となっています。
カジノ推進派として知られる菅義偉官房長官の影響が強い反面、誘致に頑なに反対している住民と折り合いをどうつけるのかが今後のカギとなりそうです。
長崎(ハウステンボス)が有力な理由
長崎は中国や韓国から3時間以内という立地条件であり、海外からの観光客の集客を望めるので、有利に働く場所と言えます。既にリゾートとインフラが整っている、佐世保市にあるハウステンボスをIR候補地とすることで、初期投資が少なくて済みます。
IR(統合型リゾート)とは?
IRとは複合観光集客施設のことですが、どのような施設が集まっているのでしょうか。
カジノのイメージが強く、ギャンブル好きの人々が集まる場所を想像してしまいますが、実際は大人から子供まで一緒に楽しめる様々な施設が終結した「リゾート」なのです。
複合観光集客施設の内容
- カジノ
- ホテル
- ショッピングモール
- レストラン
- 劇場、映画館、アミューズメントパーク
- スパなどの温浴施設
- スポーツ施設
- MICE施設(国際会議場・展示施設)
カジノ法案の目的
カジノ法案の最も大きな目的は経済効果であり、国内にカジノを設立した場合、その市場規模は1兆5千億円と発表されました。国内外から多くの人が訪れるようになると、インフラが整い日本経済を活性化させ、その地域の雇用促進にも繋がり大きく発展することが予測できるでしょう。
今以上に外国人観光客が日本に訪れるようにするにはどうすればいいのか?という答えの一つとして、政府はカジノ法案を成立したというわけです。
また、カジノ法案デメリットとして考えられるのは、治安の悪化、ギャンブル依存症の増加、そしてマネーロンダリング(資金洗浄)の問題などがあげられます。
政府はこうした問題に対してどのような対策をとっていくのか、今後の動きに注目が集まっています。
まとめ
カジノはいつオープンするのかをご紹介しました。今のところ2025年前後と言われているものの、政府の動きに左右されるので、その時期はまだはっきりと確定されていません。2
019年夏頃に予定していた「カジノ基本方針」の公表が、2019年秋以降に先送りになりました。その理由は参議院選挙の影響を考えてのことと言われているようです。
このように、カジノ開催までのスケジュールがずれ込むことはこれからもありそうです。