大阪万博とカジノ誘致!夢洲へのIRは確定するか? | WIKICASI

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2025年に開催される大阪万博は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック後に予定されている大きな国際イベント。この記事では万博とは何かから、今回の大阪万博のテーマや見どころ、IR構想について解説します。万博会場である夢洲の歴史と万博会場に選定された経緯、現在の夢洲をめぐる問題点が分かります。

大阪万博とは?

日本で初めての国際博覧会が開催された1970年から半世紀あまり。2025年に再び大阪で万博が開催されます。会期は2025年5月3日〜11月3日の半年間で、会場は大阪市夢洲地区です。

産業革命で工業化した国々の見本市との位置づけとして始まった万博は、1851年にロンドンで始まりました。正式名称は、「国際博覧会」です。万博を身近に感じることはあまりないかもしれませんが、実は私たちの生活と万博は密接に結びついています。エレベーターや電話、ファミリーレストラン、電気自動車、動く歩道、ICチップ入り入場券、AEDなど。

これらはすべて、万博をきっかけに登場した新しい技術や商品です。近年は在り方が見直され、今の社会が直面している課題解決を掲げることがテーマとなっています。

大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」につなげて、少子高齢化や貧困、エネルギー問題の解決を図ろうとしています。

また「未来社会の実験場」と銘打ち、参加型の博覧会にすることも大阪万博の特徴の一つ。ただ見て終わりではなく、万博開催前から参加する人々がアイディアを交換し、世界中の課題やその解決方法を共有できるオンライン上のプラットフォームの立ち上げも予定されています。

大阪万博の会場では、施設の空き状況がIoT(モノのインターネット)で見える化されることも話題となっています。IoTの活用により、待ち時間のない万博を目指すことが狙いです。

カジノを含む統合型リゾート(IR)構想を含む大阪万博

海外から日本への誘致は2014年、大阪維新の会の橋本徹・大阪市長(当時)や松井一郎・大阪府知事(当時)の頃に始まりました。大阪万博は、カジノを含む統合型リゾート(Integrated Resort、以降IR)の構想も含み、来場者数は2800万人、経済波及効果は2兆円と見込んでいます。

IRについては、国内外の企業が準備を進めているところです。2019年10月現在、大阪府と市では来春の事業者決定に向けて選考を本格化する動きが始まりました。

建設だけでなく、飲食や観光などの幅広い業界に需要をもたらすものとして、関連企業の間で期待が高まっています。

大阪万博とカジノ候補地の「夢洲」とは?

夢洲(ゆめしま)は、大阪府大阪市此花区にある人工島です。埋め立て人工島の開発が始まったのは、1958年のこと。高度成長期に増えた人口と、それに伴って排出される大量のゴミ処理のため、廃棄物を適正に埋め立てて処分し、埋め立てによってできた土地を活用して港湾整備したのが夢洲です。

夢洲をめぐっては、大阪府の「負の遺産」と呼ぶ声もあります。2008年の夏季五輪の際には、舞洲と夢洲に会場や選手村を建設する計画があったものの、開催地が北京に決定したことで頓挫。五輪誘致のために、大阪府や大阪市が建設した建造物がムダになったとの批判が相次ぎました。

なお、世界初の浮体式旋回稼働橋の夢舞大橋には600億円、夢咲トンネルには1060億円の費用を投入しています。

なぜ「何もない」夢洲が万博会場となったのか

夢洲は人工3島の中でもほとんど有効活用されていない島ですが、なぜ夢洲が万博会場になったのでしょうか。

大阪府と大阪市、そして関西の経済団体が共同で「夢洲・咲洲地区まちづくり協議会」を設立し、このエリアの活性化に取り組み始めたのが2009年です。舞洲や咲洲には、大阪府の庁舎やアジア太平洋トレードセンターのほか、スポーツ施設が建設され、シティバスが運行されるようにもなりました。大阪府民にとってもなじみのある施設が建つ場所です。

一方、夢洲には何もありません。夢洲が万博会場に選ばれたのは、様々な技術を結集した新しい街づくりにとっては「何もない方が、むしろ都合が良い」という事情があるようです。「万博基本構想検討会議」の議事録からは、ITや環境分野の先端技術を駆使したエコでスマートな持続可能な街をつくりたいという期待を垣間見ることができます。

大阪万博をめぐる課題と周辺事業者の動き

大阪万博で最も懸念されているのは、会場整備費用です。夢洲の整備費用は1200億円が計画されており、地下鉄の延伸や橋の拡張などの関連事業にも700億円を見込んでいることが報じられました。

博覧会の構想が具体化しない中、開催に伴う経済効果が全面に出ていることを疑問視する声も出ています。国や経済界の支援もあるとはいえ、府と市の負担は決して小さくはありません。

万博終了後の跡地の活用方法も課題の一つです。そこで有力な解決手段がIR。日本では「カジノがギャンブル依存症を増長する」として問題視されていますが、IRは本来、カジノだけでなく映画館や劇場などのエンターテイメントやコンサートホール、国際会議ができる施設のことです。

大阪万博のIR構想には、ビジネスチャンスを見出したホテルや、大型ショッピング施設などを運営する海外の事業者が名乗りを挙げています。

航空会社や船会社などの動きも活発になっています。フジドリームエアラインズは、2019年12月から神戸−高知線を就航させることを発表しました。同社が想定しているのは、大阪万博で誘致が見込まれているIR需要です。神戸空港を拠点に、神戸経由で関西国際空港を利用する客の需要も取り込みたいと考えています。

他方、関西国際空港では国際線のアジア路線への依存から、欧米などの長距離路線の誘致に動き出しました。大阪万博をきっかけに、IRや国際会議などの受け入れ体制が整備されれば、ビジネスクラスやファーストクラスの需要増が見込めるとの想定です。

そして、海上輸送の面では2024年の開港を目指し、夢洲に客船ターミナルを整備することが決定しています。夢洲の北端に1000人規模のクルーズ船が発着できる港が建設されます。

夢洲開発に名乗りを挙げている事業者が問題視していることのひとつは、夢洲へのアクセスです。アクセス方法が鉄道1路線に限られている点に対する不満が上がっていることからも、港が建設されて海上の交通網ができることはプラスになるでしょう。

もう一つ課題となっているのは、大阪万博開催時にIR事業の一部開業が認められるかという点です。すでに手を挙げている香港のIR業者は、大阪万博が開催される2025年の部分開業を示唆しました。大阪万博の事業に本格参入することになった場合には、大規模な展示会や国際会議ができる施設、ホテルの順に順次オープンするとしています。

最後に

大阪万博については多くの課題が指摘されていますが、これまで日本にはなかったIRの構想を取り込んでいるのはおもしろい取り組みではないでしょうか。開催地が東京を中心とする首都圏ではなく、大阪を中心とする関西圏であることも重要なポイントです。

今のところオリンピック需要で日本経済は好調といわれていますが、2020年以降の日本の経済はその反動で先行きが心配されています。そんな中、2025年の大阪万博は日本の成長を持続してくれる起爆剤となってくれるかもしれません。20年ぶりに日本で開催される国際博覧会を楽しみましょう。

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