カジノ法案が参議院で可決され、日本にカジノができることになりました。多くの収益を生むリゾート型カジノホテルの経営は、厳格な組織の管理下でコントロールされています。最高責任者であるカジノ・マネージャーをトップに、非日常的な華やかな世界で、時間を忘れさせてくれる空間を作っているのは、カジノで働いているたくさんのスタッフです。ここでは組織を構成する各部署の主な役職を解説します。
目次
カジノの役職の種類
カジノには他の企業と同じようにさまざまな部門において役職があります。VIPや大会企画を担当するマーケティング部門や、大事なゲームエリアを担当する部門、そしてそのゲームエリアのトップに位置づくのが、「カジノ・マネージャー」というポジションです。
カジノの役職はさまざまですが、一般的には次のような役職があります。
カジノの役職(役職順) |
カジノ・マネージャー |
テーブルゲーム(スロット、キノ/ビンゴ)・マネージャー |
シフト・マネージャー |
ピット・マネージャー |
フロア・パーソン |
カジノディーラー |
という役職順が一般的ですが、カジノによって各ポジションの名称が異なっている場合もあります。このような組織が構成されている中で、カジノ・マネージャーの采配の下で、多くのスタッフがカジノという華やかな世界を作り上げているのです。
カジノ・マネージャー(Casino Manager)
カジノ内のゲームエリア部門で、最も高いポジションに位置しているのがカジノ・マネージャーという役職です。カジノ・マネージャーはゲームエリアにおける最高責任者ですので、経営や運営方針などの全面にわたり権限がある反面、営業実績の責任も負わなければなりません。
ゲーム・マネージャー(Game Manager)
ブラックジャックやバカラのような、テーブルの上で行うテーブルゲームの運営管理全般を担当している部署がテーブルゲーム課です。ゲーム・マネージャーはテーブルゲームの運営全体を管理監督する責任者という重責を担っています。
非常に多くの人員を抱えるテーブルゲーム課では、ゲーム・マネージャーの下で、スタッフは1日3シフト8時間勤務を交代制で24時間運営されています。それに伴い従業員の勤務スケジュールの決定や教育、それぞれのゲームの最大賭金の設定と詳細なルールなどを決定します。
また、規定の運営ポリシーを徹底する責務を負っていますので、運営に関する知識だけでなく、法令や規則について深い認識を求められる非常に専門的な職種です。その為、他の業種からの転職者を採用することはせずに、その下に位置する役職のシフト・マネージャーから採用します。
シフト・マネージャー(Shift Manager)
シフト・マネージャーは自分が担当する8時間勤務のシフト内でのテーブルゲーム運営の現場責任者です。自分が担当したシフト内での業績をゲーム・マネージャーに報告する他、効率的な運営と顧客満足の向上の責任を担い、規則の徹底と不正監視を行う業務です。
シフト・マネージャーはテーブルゲームに関する高度な知識と豊富な経験が求められると同時に、優れた接客能力と交渉力が必要とされますので、他業種からの転用は不可能で、ピット・マネージャーからの採用が一般的です。
シフト・マネージャーが統括している中には、
- 昼間の時間を担当している「デイ・シフト」
- カジノが賑わいだす夕方から夜の時間を担当している「スウィング・シフト」
- 夜中から朝方まで担当している「グレーブヤード・シフト」
の3種類があります。
ピット・マネージャー(Pit Manager)
ピット・マネージャーはピット・ボス(Pit Boss)とも呼ばれ、自分が担当するピットの運営を監督する責任者です。
ピットとは、テーブル数十台をまとめて一つの島(ピット)にし、ゲームの種類や最低賭金レベルでテーブルをグループ化したもので、そのマネージャーとは、ピット内で実施されるカジノゲームの全責任を負う役職です。
ピット・マネージャーは、ピットに配置された「フロア・パーソン」の監督と「プレイヤー」の監視を行うと同時に、ピットの業績をシフト・マネージャーに報告します。また、自分が担当するピット内の接客責任者として、顧客満足度を向上させることや、一定限度額のコンプ(賭金総額に応じて顧客への利益還元)を提供するのも大切な仕事の1つになります。
さらに、ピット・マネージャーという役職は、テーブルゲームの不正に関する知識や会計管理の知識などを必要とする専門的な職種であるため、長期にわたる現場経験があるフロア・パーソンからの採用が一般的です。
フロア・パーソン(Floor Person)
フロア・パーソンは、自分に割り当てられた4~8台のテーブルの監督責任者であり、別名「スーパーバイザー」と呼んでいるカジノもあります。ディーラーやプレイヤーを監視するポジションであるとともに、自分が担当するテーブルのプレイヤーのレーティングも行います。
臨機応変に顧客対応を行なわなければならないので、優れた接客能力が求められる他に、ゲーム進行と不正に関する知識が必要となる専門職でもあるため、ディーラーからの採用となります。
ディーラー(Dealer)
ディーラーは、自分が担当するテーブルゲームを円滑に行うために、ルールを順守しながらミスを排除し、適切なスピードでゲームを進行すると同時に、顧客満足度の向上を図るのが仕事です。
ディーラーはプレイヤーにとって最も接点の多いポジションなので、ディーリング技術と正確な知識だけでなく、優れた接客能力が必要とされます。
テーブルゲームの進行に必要な技術と専門知識がディーラーの採用基準となりますので、他のカジノで働いていたディーラー経験者から採用するのが一般的です。それ以外にも、ディーラー訓練学校を卒業してから、カジノ企業が実施する技能試験と面接試験の合格者を採用します。
日本のカジノの雇用者数
日本においてIRが東京圏と大阪圏に1ヶ所ずつできた場合、IRでの雇用者数は東京圏では3万4500人、大阪圏では2万6000人といわれており、カジノだけでも3000人以上の雇用があると予測されています。
カジノで募集する仕事は大きく分けて5つの部門になります。
ディーラー部門 | プレイヤーと直接ゲームの進行をする |
ゲーミング部門 | 勝敗の配当計算などを行う |
ケージ部門 | チップの換金など出納を担当する |
サーベイランス部門 | 従業員の不正やお金のやり取りや顧客などを監視カメラで監視する |
セキュリティ部門 | 警備を行う |
この内、一番人気はディーラーです。日本のカジノの専門学校に入学し、ディーラーを目指して勉強している人が急上昇しています。
ディーラーの月収ですが、日本のカジノの場合は開始当初は20万前後ではないかといわれています。海外のディーラーに比べると月収は安いようですが、実力が公平に評価されやすい役職ですので、スキルに応じて月収も変わってくるようです。興味がある方は今からでも勉強してみるのもいいですね。
カジノスクールでディーラーを目指す!養成学校で専門知識や技術を習得しよう!
まとめ:カジノには役職がたくさん!まずはディーラーを目指してみては?
世界的に見ても一大エンターテイメントであるカジノですが、一つのビジネスとして充分確立しています。これだけ人気が高いカジノでは、規律やルールを厳守してもらうためにも、経営側は強靭な組織を構築して運営しています。
そんなカジノでは、顧客側からすると一番目立ち、認識度が高いのは、フロア内のエンターティナーとして大活躍している華やかなディーラーのようです。最初は誰でもディーラーから始まりますが、たとえ優秀な人材であったとしても飛び級でいきなり上のポジションになることは不可能です。
テーブルゲームに関する高度な知識と豊富な経験を積み重ねることによって、ひとつずつ階級が上がり、それに伴いセキュリティの高い仕事を与えられるようになるのです。