カジノに行くと少しずつチップを積み、不安げにゲームをしている人もいれば、大富豪らしき人が豪快に賭けてカジノを思う存分楽しんでいる姿を見ることもできます。大きな金額をなんの躊躇もなく使っていく人のことを、ハイローラー(High Roller)といいます。特別待遇を受けられるハイローラーの条件をクリアできれば、あなたも華やかなサービスを受けることができるのです。
目次
ハイ ローラーとは?
海外のカジノに行くと、少しずつチップを積みながらゲームをしている人もいれば、大富豪らしき人が豪快に賭けて思う存分楽しんでいたりもします。
カジノで賭ける金額、そしてその資金は人それぞれですが、その中でもたくさんのバンクロール(カジノ資金)を持参し、常に躊躇なく大金を賭けるカジノの上客達をハイローラー(High Roller)と呼びます。高額のお金をカジノで使ってくれる、ホテルにとってとても大切な上客のことです。
一日にハイローラーがカジノに落とす金額は、数百万から1000万円以上あり、プレイヤーによっては1回の賭けに100万円を使う人もザラにいます。では、ハイローラーの定義みたいなものはないのでしょうか?
実は、厳密にいくらからハイローラーになれるといった決まりはなく、ホテル側の判断によりハイローラーとして認められた人だけが、VIPとしての高待遇を受けることが出来るのです。
中にはそれ以上のバンクロール(カジノ資金)を持ってきて、常識ではあり得ない巨額な大金を賭けて遊ぶ最高レベルのハイローラー達が存在します。その人達はカジノで、クジラという意味の『ウェール』と呼ばれ一目おかれていますが、さらにその上の人は「メガ・ウェール」と呼ばれています。
ハイローラーの条件
簡単に言うと、お金に糸目をつけずカジノを楽しんでいるカジノの上客というのがハイローラーなのですが、滞在日数が長ければその分、使う金額も莫大になってしまいます。ですが、そんなことは全く関係なく楽しめる大金持がハイローラーなのです。
驚くことに、そのハイローラーの8割がアジアにいるということはご存知でしたか?特に中国系の人や東南アジア、アラブ系のハイローラーが多いと言われています。
世界のどこのカジノでも、ハイローラーは上客として扱われ、カジノ側としてもぜひ来てほしい!と思われている特別な人たちです。なんとハイローラーが来ただけで、株価が動くとの話もあるくらいです。
カジノ資金は最低1千万円から!
ハイローラーと称されるには、世界屈指のカジノエリアと言われているラスベガスであれば、最低でも1千万円から1億円のバンクロール(カジノ資金)、そして賭金は毎回、最低でも10万円以上である必要があります。ハイローラーの定義は1千万円以上を使うか使わないかという感じなのでしょうか。
カジノもいわゆるビジネスの一つなので、カジノ側にお金を落としてくれるお客さんを得たいと思うのは当然のことです。カジノ売上の70%~80%をハイローラーがもたらしていると言われるだけに、VIPなお客さんを選んでは、普通の一般客とは全く異なる対応をし、継続して通ってもらえるようにと、ハイローラーへ対する絶大なるサービスには手を抜きません。
マカオのサンズカジノを例に挙げてみると、VIP会員になるためには、約320万円(HKD20万)をカジノ内の銀行に預金しておかなくてはいけません。
他にもVIP客のミニマム預金額として
- マカオカジノでは約320万~480万円
- シンガポールカジノでは約180万~900万円
- フィリピンカジノ160万円
に設定されていますが、ラスベガスや韓国カジノのように、基準額がないところもあります。預金を完了すると同時に「VIPカード」をもらい、そのカードを持っている人たちだけがVIPルームに入ることができます。
海外のカジノ施設に入ると、目の前にはカジノテーブルがずらっと並び、横を見れば大量のスロット台があります。そして、奥にキャッシャーがあり、さらに奥へ進むと、「VIPルーム」が存在しています。
VIPルームは自分専用の個室スイートルームのような、非常に居心地が良い場所になっていて、高いハイレートルームにVIP客は招待されるのです。
ハイローラーの待遇
ハイローラーはカジノ側からしてみれば、是非とも来てほしい上客です。お金を湯水のように使うことを目的に遊びに来るVIP客に対して、カジノ運営側も特別待遇することにいつも気を配っています。
例えばハイローラーとして名が通っている人は、ホテルの宿泊費が無料となったり、カジノ内の提携飲食店で無料の飲食ができるなどメリットがあります。
グレードで待遇も違う
ラスベガス、マカオなどの大金持ちが集まるカジノでは、ハイローラーにもグレードのようなものがあり、待遇も人によって異なります。ハイローラーの中でも特にリッチな方々は、ホテルのスイートルームやファーストクラスでの往復航空券、高級車での送迎など、ホテル側が最高級のおもてなしで歓迎してくれますし、ショータイムのチケットも無料となります。
巨額の金額を落としてくれるハイローラー達のおかげで、カジノは成立しているとも言っても過言ではなく、ハイローラーが一般客と違ってVIP待遇を受けられるというのは当然のことなのです。
ハイローラーの上はウェール
ハイローラーの上を行くクジラという意味の「ウェール」という存在の方々がいます。大金持ちのステイタスであるハイローラーといわれるだけでも、カジノでは有意義な時間を過ごすことができるのですが、上には上がいるもので、ハイローラーの上、最高レベルの客人はウェールという立場になれるのです。
このウェールと呼ばれる人たちは「最低賭け金が1億円」という一般人にはとても想像できない大勝負を楽しむ人たちです。今現在、世界には約500人のウェールが存在します。そして、その内の約200人はさらにレベルが上の「メガ・ウェール」と呼ばれていて、中には世界長者番付に名を馳せている人達もいます。
ウェールの過半数以上はアジア人といわれており、そのほとんどがマカオに集中していますが、もちろんラスベガスにも彼ら、ウェールたちはやって来ます。ウェールは最低でも1億円〜5億円をバンクロール(カジノ資金)として持参してきます。
1回の賭け金に一千万円近くを賭けるウェールもいます。さらに上のクラスのメガ・ウェールと呼ばれるプレイヤー達は、バンクロール(カジノ資金)が10億円以上。これは毎回フェラーリや小さな一軒家を賭けている、といえばわかりやすいでしょう。
ウェールはこのようにとてつもない影響力があり、社会的信用を兼ね備えた人達でもあるので、例え勝負に負けてバンクロール(カジノ資金)が無くなった場合でも、カジノ側から億以上の金額を借りることが可能なのです。
ウェールの勝負の行方で、そのカジノの売上が大きく左右されるため、「ぜひうちのカジノに!」とカジノ側はこぞって、超特別待遇でウェールを離さないようにしています。
彼らくらいのレベルになると、どのカジノからもお誘いの声がかかり、「あのカジノよりも良い条件を出します」と、カジノ同士のウェールの争奪戦が繰り広げられているのです。そのためカジノ側は、ウェールが定着して他のカジノに気が移らないように、様々なスペシャルサービスを提供するというわけです。
見方をかえれば、カジノ側からしてウェールは最高の上客であると同時に、とても恐ろしい存在であるとも言えます。彼らが負けてくれれば当然売上は伸びるのですが、波に乗られて大勝ちされてしまったら大損害になってしまいます。
いえ、それどころではすみません。なによりも怖いのは戻ってこなくなること、つまり、他のカジノに移られてしまうということです。
では そんなウェールに提供されるスペシャルサービスのいくつかをご紹介しましょう。
ウェールの驚くべき待遇
専用のスイートルームを準備
このクラスのプレイヤーを呼び込めるカジノには、必ずそのプレイヤー専用の豪華な客室が用意されています。例え他の人が1億円を積んでもその客室には絶対に泊まることはできない、まさにウェール専用の特別な客室なのです。
カジノによっては敷地内に巨大なヴィラ(別荘)を持っているところもあり、ウェールの家族や友達が多数で訪れても対応できるような配慮がされています。
特別なルールとスペシャルリミット
他のプレイヤーはそのテーブルでプレイすることができない、ウェールが遊ぶ専用のテーブルが用意されています。1人のウェールのために名前入りの特注テーブルを、ハイリミットに置いていたカジノもあるくらいです。もちろんそのテーブルで遊べるのは世界中でもそのウェール1人だけです。
ゲームのルールはハイリミットルールが当然ですが、プレイヤーによってはその上にさらに特別なルールが設けられていて、賭けられるリミットも更に大きくなります。
空はプライベートジェット、陸はロールスロイスで送迎
遠方から来るウェールに対しては、カジノが所有しているプライベートジェットでの送迎はもちろんのこと、滞在中の移動は専属の運転手付きのロールスロイスなどの高級車でどこにでも移動できます。
24時間体制の専属スタッフを配置
ホテルの客室で料理を作ってくれる専属のシェフの他、身の回りの世話やどんなリクエストにもすぐに対応し答えてくれるバトラー、休憩中にはプロのマッサージ師、そして必要とあればボディーガードまで、ウェールの要望があればどんなスタッフもすぐに用意します。
スペシャルギフトとキャッシュバック
プレイしてくれたお礼として、高級時計やロールスロイスなどの高級車、世界に数本しかない貴重なワイン、贅沢な旅行に招待するなど、それ以外にもさまざまなプレゼントが贈られることがあります。
負けた金額に対して、いくらキャッシュバックするかは事前に決められており、その割合はカジノによっても異なります。どのカジノも他のカジノより、キャッシュバックする割合を大きくして、ウェールに来てもらう為の努力を惜しみません。
ハイローラーになった人たち
「ハサナル・ボルキア」ブルネイ国王
引用元:https://www.carmudi.com.ph/journal/the-sultan-of-brunei-the-most-unique-cars-in-his-7000-collection/
フェラーリ、ランボルギーニ、ロールスロイスなど名だたる高級車を何千台も所有していることで有名で、莫大な資産を持っているイスラム教国でもあるブルネイ王国の王様です。
カジノでの賭け方がとても大胆で、ラスベガスのルーレットで、ルーレットの全てのテーブルに25万ドルを賭けたという伝説を持っています。
「ケリー・パッカー(Kerry Packer)」オーストラリアの大富豪
引用元:https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=6R7lQ4PyIkM
イギリスのカジノで1ヶ月近くプレイを続け、日本円にして25億ほど負けたことがあります。反対にラスベガスのカジノでは、日本円にして30億円の利益を出している稀代のギャンブラーです。
最後に
カジノゲームは、胴元が儲かるよう設計されていると言われています。ハイローラーが集まれば集まるほど、カジノホテルは儲かる仕組になっています。ということは、ハイローラーを他のカジノホテルに奪われた時が、経営が苦しくなってしまう原因なのです。
いずれ日本にカジノが出来た時に、このハイローラーを世界中からどれだけ引っ張って定着させるかで、命運が大きく別れることになるでしょう。2020年に開催される東京オリンピックと同じように、世界に誇れる日本の優秀なサービス精神で、ハイローラー達がまた行きたいと思ってくれるようなカジノになればいいですね。