カジノのゲームをプレイするうえで、必ず耳にする単語の一つに「ハウスエッジ」または「控除率」といったものがあります。どちらもカジノを攻略するには絶対に必要な知識のひとつです。ギャンブルをする上で『勝つ』という事にこだわるのはもちろんのこと。であればハウスエッジ(控除率)をしっかりと頭に入れてから、カジノライフを楽しみましょう。
目次
ハウスエッジとは?
ハウスエッジ(House edge)とは、「控除率」という意味の英語で、ギャンブルの胴元側の取り分をパーセンテージで表したものです。
- 税制における控除:税金などで、ある一定の条件を満たすことで本来の勘定に入れなくてよい値のこと。
- 賭博における控除率:ある賭けにたいして、どれだけの手数料をとられるかを示す割合のこと。
- ギャンブルにおける控除率:ある賭けにたいして、どれだけの手数料をとられるかを示す割合のこと。ハウスエッジとも呼ぶ。
「控除率」に対して、ある賭けにいくら払い戻されるかの割合が、「還元率(かんげんりつ)」なのですが、これはプレイヤーがかけた金額のうちの何%が手元に帰ってくるか、という割合のことで、「ペイアウト率」というカジノ用語です。
先に述べた「胴元」というのは何かといいますと、カジノゲームで言えばカジノ側、パチンコではパチンコ屋さんのことを表します。胴元が存在し、そこでお金を賭けている以上、賭けた金額の100%以上がお客さんに還元されることはありません。言い換えると、ギャンブルというものは、必ず胴元側が勝つようにできているのです。
胴元側が利益を出す仕組み
ハウスエッジが10%のギャンブルに対して、10,000円を投資したとします。理論上は1,000円が胴元の取り分、またはお客さんの損失となり、9,000円がお客さんに還元されます。
これがもしハウスエッジ5%のギャンブルの場合であれば、理論上は500円が胴元の取り分となり、9,500円がお客さんに還元されます。
つまり、ハウスエッジの数字が低ければ低いほど、お客さんに還元される金額は大きくなりますし、お客さんにとってありがたいギャンブルと言えるでしょう。
じゃあプレイヤーが必ず負けるということ?
しかしそう考えると、ハウスエッジが存在するギャンブルでは必ず負けるのだろうかと、疑問に思いますよね。必ず負けるかというとそうではなくて、あくまで数字の世界の話です。
カジノ全体で考えた場合、もちろんお客さんの方が負けていますが、幸運なことに大勝ちしている人も存在しています。運がいいだけはなく、勘や分析で流れを読みとるセンスを上手に生かし、確率の壁を超えることが出来る幸運な人もいるのです。これがカジノの醍醐味であり、魅力なのでしょう。
世界中のカジノで遊ぶ人たちは、理論上では負けるとわかっていても、それを上回る楽しさを求めて、懲りずに何度もギャンブルに打ち込むのです。ギャンブルとは本来負けるものなのだというスタンスで臨むことが、カジノを楽しむ第一歩と言えるでしょう。
そういう意味でも、ハウスエッジをきちんと理解してからギャンブルをすることによって、後悔するような大負けをしないで済む可能性もあります。ギャンブルをする上で『勝つ』という事にこだわるのであれば、ハウスエッジを頭に入れておく事は非常に大切なことです。なぜかというと、ハウスエッジが低いもので勝負した方が、長いスパンで見ると確実に勝率が変わってくるからです。
ゲーム別ハウスエッジ比較
ゲーム別にハウスエッジを比較してみました。ハウスエッジが低いと、プレイヤーに有利なゲームになり、逆にハウスエッジが高いと、プレイヤーに不利なゲームということになります。カジノごとに多少の違いはありますが、一般的には以下のようになっています。
カジノのゲーム別ハウスエッジ
- ルーレット・アメリカンタイプ(0と00):5.26%
- ルーレット・ヨーロピアンタイプ(0のみ):2.70%
- ブラックジャック(ベーシック戦略の場合):0.4~0.6%
- バカラ ・プレイヤーに賭けた場合:1.24%
- バカラ ・バンカーに賭けた場合:1.06%
- クラップス・ドント・パスに賭けた場合:1.36%
- クラップス・パス・ラインに賭けた場合):1.41%
日本の公営ギャンブルのハウスエッジ
- 競馬:20%〜30%
- パチンコ:10%〜15%
という具合に、日本の公営ギャンブルはハウスエッジが高すぎますよね。
ハウスエッジ比較の一覧表を見てわかるように、『勝ち』にこだわるのであればハウスエッジが低いゲームを選択するのが妥当でしょう。ブラックジャックやバカラなどのテーブルゲームの人気が高いのには、ルールが単純なことの他に、ハウスエッジが低いのも理由のひとつなのです。ハウスエッジが良心的なのは、やっぱりブラックジャックとバカラ、ルーレットでしょう。
カジノでのハウスエッジの定義とは?
カジノでのハウスエッジの定義とは何でしょう。それは、ゲームごとのベット(賭け金)に対する平均損失の割合を表していることです。
もう少しわかりやすく説明すると、ハウスエッジが元の資金元と失った金額の割合でなく、「平均的に損失する金額」と定義しています。
ゲーム中の資金の推移グラフ
ゲーム中の資金の推移をご覧いただけたらわかるように、勝ち負けを繰り返しながら、短期的には資金をプラスに出来る可能性はあるといえるものの、プレイ回数がどんどん増えていくにつれ、ハウスエッジ分だけ損した状態に近づいていきます。
結果的には、ハウスエッジの値が大きくなるほど、カジノ側に有利であるということがおわかりでしょう。
このハウスエッジを頭に入れてもう一度、ゲーム毎の比較表をご覧ください。ゲームごとのハウスエッジの数値の違いはありますが、ゲームすべてにおいて少なからず損失額が記載されています。これは前にもお伝えしたように「カジノのゲームは基本的に勝てないようにできている」ということです。
そもそも日本の公営ギャンブルであるパチンコや競馬なども、必ず控除率がプラスになるように配当や設定がされていますので、ハウスエッジがマイナスとなり、プレイヤーが有利となるゲームは基本的には存在しません。
だからといって、「勝てないからギャンブルはやめましょう」とお伝えしているわけではなく、ゲームによってハウスエッジの割合が大きく異なるので、ハウスエッジを頭に入れておく事はとても大切なことだということです。
ハウスエッジの使い方
ハウスエッジが元の資金元と失った金額の割合でなく、「平均的に損失する金額」と定義するのには理由があります。
まずはあなたがプレイするカジノゲームで、どれだけの金額を失うことになるのか?という見積もりを自分なりに立てることができます。
一体いくらくらいの損失が予想されるのかという“目安”を把握することにより、カジノで遊ぶために必要な資金をいくら準備すればいいのかがわかります。そしてそれ以上にあなたにとって有益なことは、出来る限り損が少ないゲーム選びができるということです。
例えばアメリカのカジノでとても人気のある、クラップスというゲームにおいては、ベットが幾つもありますが、ハウスエッジを考慮すると、そのほとんどが「損」する賭け方と言えます。
また日本人に人気のルーレットを例にあげると、「シングルゼロ」と「ダブルゼロ」でハウスエッジが大きく異なります。
ルーレットの盤に「0」がひとつなのを「シングルゼロ」と呼び、「0」と「00」があるのが「ダブルゼロ」なのですが、確率を考慮した”賢い”選択をするのなら、断然「シングルゼロ」のルーレットを選ぶでしょう。
このようにハウスエッジを知るということは、「簡単だから」という安易な理由だけでスロットゲームをプレイしてお金を無駄に浪費することもないでしょうし、配当金額の高さに引き寄せられ、無駄にチップを浪費させることもなくなるのです。
最後に
ハウスエッジがどのようなものなのか、イメージできたでしょうか?「控除率」に似た言葉に「寺銭(てらせん)」がありますが、これには割合だけでなく一定の手数料、参加料も含まれます。
最後に一言、「ギャンブルとは本来負けるもの」だというのを前提に置いておけば、大きく負ける確率もグッと低くなります。さらに、一攫千金への近道と成り得る可能性もあります。ハウスエッジを理解してからカジノゲームを満喫すると、さらにカジノの奥深さを体感することができるでしょう。